遺産分割調停をする場合にかかる費用
1 遺産分割調停にかかる費用の概要
何らかのご事情で遺産分割協議がまとまらなくなってしまった場合には、遺産分割調停の申立てをすることになります。
遺産分割調停をする場合にかかる費用は、事案によって大きく異なり、数万円~数百万円程度となります。
費用の主な内訳としては、以下のものが挙げられます。
①戸籍謄本等の資料収集のための費用
②家庭裁判所に納める費用
③期日に出頭するための交通費等
④弁護士に依頼する場合には相談料、着手金、成功報酬、出廷費等
以下、それぞれについて詳しく説明します。
2 戸籍謄本等の資料収集のための費用
遺産分割調停を申し立てる際に必要とされる主な資料は次のとおりです。
まず、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、相続人の現在の戸籍謄本を取得する必要があり、取得するための費用は量にもよりますが数千円~数万円です。
次に相続財産を裏付ける資料として、預金や有価証券の残高証明書、不動産登記事項証明書、固定資産評価証明書を取得する必要があります。
これらの取得に必要な費用は、数千円程度となります。
3 家庭裁判所に納める費用
遺産分割調停申立ての際には、家庭裁判所に申立手数料1200円と予納郵券(数千円程度)を納める必要があります。
参考リンク:裁判所・遺産分割調停
4 期日に出頭するための交通費等
遺産分割調停を申し立てると、家庭裁判所での話し合いの日(期日)が指定されます。
期日は、一般的には数回行われますので、家庭裁判所に行くための交通費等が必要となります。
遺産分割調停は相手方(他の相続人)の住所地を管轄する家庭裁判所で行われますので、その家庭裁判所が遠方である場合には飛行機等を使う必要がありますし、宿泊をしなければならないこともあります。
その結果、交通費等が数十万円にのぼる可能性もあります。
5 弁護士に依頼する場合には相談料、着手金、成功報酬、出廷費等
遺産分割調停の代理を弁護士に依頼する場合には、相談料、着手金、成功報酬、出廷費等が必要になります。
また、実費として、2~4の費用も必要となります。
相談料は事務所によって違いますが、一般的には30分あたり5500円~1万1000円程度となります。
依頼する場合には相談料を無料とするといった事務所もあります。
着手金は、遺産分割協議が成立した結果、取得が想定される遺産の評価額2~8%程度となります。
成功報酬は、実際に取得した遺産の評価額の4~8%程度となることが多いです。
遺産が少ない場合などは、獲得した経済的利益にかかわらず、最低報酬金が定められていることもあります。
出張費等は、弁護士が家庭裁判所に出廷するための費用であり、概ね1日(1期日)あたり3~5万円となります。
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